どうも♪
東大といえば国内最高峰の大学。
そんな東大へ偏差値30の人間が1年ちょいで合格することができるでしょうか❓️
まぁ無理です。
さすがに1年ちょいではどう考えても厳しいですよね。
もう少し期間があれば、必死で死ぬ気で努力すれば合格できるでしょう。
ではサラブレッドはどうでしょう❓️
1年ちょいで競走馬になれるのでしょうか❓️
犬猫の殺処分数は公表されるのに、馬の屠殺数が公表されないのはなぜ?
サラブレッドと人間の差
人間の場合、仮に東大に行こうとと思えば何歳からでも行けます。
現役でなくとも、社会人になってからでもいいですし、きちんと勉強しさえすればいつからでも入る権利があります。
例えどれだけ偏差値が低かろうとも、人間には努力することが許されていますし、自由に自分の好きに選択できます。
めちゃくちゃ勉強しなければなりませんが、努力すれば行けます。
でもサラブレッドの場合はそうはいきません。
サラブレッドは生まれてから競走馬としてデビューするまで、およそ2年足らずしかありません。
人間のように社会人になってから、的な感じで自由に好きな時に競走馬になれるわけではありません。
生まれた日から2年後には競走馬としてデビューしなければなりません。
極端な例ですが、人間でいえば、生まれたばかりの赤子が2年後に東大に行くようなものです。
あり得ないですよね❓️
サラブレッドは「生まれてから2年後にはデビューしなければならない」と決められています。
競走馬になるのは東大へ行くより断然キツイ
東大を目指している方からすれば「え❓️」と思うかもしれませんね。
なぜ東大へ行くより断然キツイかといえば、サラブレッドは生まれてから2年以内にデビューしなければならない&常に死(屠殺)と隣り合わせという点が大きな理由です。
サラブレッドが生まれてからデビューするまでをザッと説明します。
生まれるのは春(0歳)
サラブレッドは大体3月から6月頃に生まれます。
ただ、早生まれのほうが2歳、3歳戦に有利なため、人工的に出産を早めることがあります。
サラブレッドは2歳や3歳の時期はこの数ヵ月の生まれる差がとても大きく、成長にも影響が出ます。
そのため、2歳や3歳のレースを意識し、出産を早めることがあるんです。
離乳の時期までは母子ともに暮らしますが、離乳の時期になると母子は離され、仔馬同士で暮らします。
基礎体力を作る(0歳8ヶ月~)
ここからは集団生活を送ります。
仔馬たちは放牧され、自然に基礎体力が付きます。
夜には厩舎に戻すのですが、戻さずにそのまま放牧しているパターンもあります。
その方が夜も動き、基礎体力の向上に繋がるからです。
この期間にサラブレッドは人に乗られた馬に追いかけられる「追い運動」というものを行います。
人間が乗った馬が迫ってきて、そこから逃げる的な感じですね。
人が騎乗して本格訓練(1歳夏頃~)
ここからは本格的に人が乗り、人を乗せて走ることを教え込みます。
体力や筋力を付け、先の調教(練習)に耐えられる体を作っていきます。
人にも慣れ、体力なども十分と判断された後、本格的な調教(練習)を開始します。
ただまだまだ子供です。
人間でいえば小学生くらい。
様子を見ながら慎重に行います。
厩舎へ入厩し、競走馬としてデビュー(2歳~)
早い馬は2歳の6月からデビューしますが、それぞれ成長スピードも違いますし、デビューする時期は異なります。
ここまでの間に、サラブレッドは
- 競馬とは何か
- 走ることの喜びとは何か
- 人を乗せて走ることとは何か
- やっていいこととやってはいけないことの区別は何か
を人から教え込まれています。
生まれた瞬間は単なるサラブレッドでしかないため、競走馬になる基本として教え込まれるんです。
サラブレッドはとても臆病なため
- 人間は怖くない
- 競馬は怖くない
- 走ることは苦しい事ではなく楽しい事
ということも教え込まれます。(なんかマインドコントロールみたいですよね)
ここまでを読む限りはそんなに大変そうなイメージがないかもしれません。
でも、生まれた全てのサラブレッドが競走馬になれるわけではありません。
例えば2015年のサラブレッドの生産頭数は6857頭です。
この馬たちは順調にいけば2年後に競走馬としてデビューします。
ちなみに2017年にデビューした馬の数は5358頭。
- 生まれた数6857頭
- デビューした数5358頭
あれ❓️と思いません❓️
先ほど全てのサラブレッドが競走馬になれるわけではないと述べましたが、1499頭もデビューできていません。
でもまぁ受験でも全員が合格するわけではないですし、あり得なくはないですよね。
受験して失敗して浪人して…というのは人間ではよくあるパターンですし。
- 「ならサラブレッドも留年して翌年に競走馬としてデビューすればいいじゃん❗️」
と考えることもできます。
でも、そうはいきません。
そんなに甘い世界じゃないんです。
競走馬になれなければ、命を奪われます。(全ての馬というわけではない)
使えない馬は廃馬として処分されるんです。(処分されない馬もいます)
人間が受験に失敗したって命まで奪われることはありませんよね。
また翌年チャレンジできます。
サラブレッドはそうはいきません。
ヤバくないですか❓️
競走馬になった後
人間の場合は東大に受かって入ってしまえばこっちのものです。
もちろんきちんと勉学に励み、向上心を持って日々を過ごすべきですが、そんなことをしなくてもとりあえず入ってしまえばこっちのものです。
あとは卒業できればとりあえず東大卒という肩書きが手に入ります。(もちろん肩書きだけではダメですが)
サラブレッドはどうでしょうか❓️
無事に競走馬としてデビューします。
でも本当の戦いはここからです。
なぜなら、無事に訓練を終え、屠殺されることなく競走馬としてデビューできたとしても、まだ安心はできないです。
デビューしても良い成績を残せなければ殺されるからです。
弱い馬は用無しなんです。
例えば先ほど2017年にデビューした数を書きました。
2017年には5358頭がデビューしましたが、同時に5192頭が登録抹消されています。
いわゆる引退です。
デビューした頭数とほとんど同じ数だけ引退しています。
それだけ入れ替りが激しいんです。
では引退した競走馬はどうなるのでしょう❓️
種牡馬や繁殖牝馬、乗馬などとして生き残る馬もいます。
でもそれもほんの一握りです。
残りの競走馬たちは殺されます。
そうじゃないと世の中、馬だらけになってしまいます。
年間に7000頭近く生まれるサラブレッドを寿命が尽きるまで育てていくことなんてできないですよね❓️(20年前くらいは1万頭を余裕で越える生産頭数だった)
寿命が30年といわれているので、30年間の間に21万頭もサラブレッドが生まれることになります。
ちなみに「サラブレッドが天寿を全うできる確率は1%もない」
と言われています。
かなりシビアじゃないですか❓️
最後に
今回は分かりやすく❓️東大を例に挙げましたが、東大でなくとも間違いなく、人間の世界の何よりも競走馬になることの方が困難ですし、競走馬の方が過酷です。
私たちが目にしている競走馬は過酷な試練を乗り越えたエリートです。
全員が東大卒といっても過言ではありません。
競走馬になってからも優劣がつけられ、ほんの一握りの強い馬だけが栄光をつかみ、もてはやされます。
こういうことを知らずに、もしくは知っていても意識せずに競馬の輝いた部分だけを見て競馬が好きだと言っている人には少し嫌悪感を抱きます。(恐らくほとんどの人がそうだろうが)
良い部分も悪い部分も含めて好きになるのが本当の好きというものなので。
まぁでもどんな物事も良い部分しか映らないですし、基本的に闇や陰の部分は映りません。
自分で知ろうとしない限り、目に入りません。
ただ、競馬はその面がちょっと顕著です。
ちょっと覆い隠しすぎです。
調べてもどれだけのサラブレッドが、競走馬が命を奪われているのか分かりませんからね。
競馬が好きだという芸人やタレントなども結局はそういうことを発信しませんし、騎手や調教師やあらゆる競馬関係者ももちろんそんなことは見て見ぬふりです。(唯一❓️調教師では角居調教師を除いて)
競馬ファンより何より、競馬関係者は絶対にこういうことを意識しなければなりません。
競馬関係者とは騎手や調教師など、最前線で関わっている人だけではありません。
競馬新聞、雑誌、テレビ番組etc…
競馬に関わる仕事をしている人間全員です。(当然、意識しているとは思いますが)
競馬の華やかで輝いている部分だけを見ているなんてことはないですよね❓️
競馬に関する仕事をしている人間がそんな浅はかだとは思いませんが、全ての人がもう少し意識してほしいです。
競馬の楽しさを伝える前にその楽しさがどうやって作られているのかもきちんと伝えるべきです。
競馬を見る時、少しでもそんな風に思うのが当たり前ですし、馬券が当たろうがハズレようが、競走馬に感謝の気持ちを忘れないでほしいです。